Farm
2023.3.25不耕起再生型農業実践報告会
お申込みオープンとなりました。
アーカイブ(当日の発表と圃場見学の様子の動画)はこちらから見られます。
【動画販売】SHO Farm不耕起再生型農業実践報告会 | Peatix
SHO Farm で実践してきた不耕起再生型農業の技術をすべて公開する報告会を開催します。
●トラクターなしで3ha、どうやって除草しているの?
●どうやって播種するの?
●不耕起でうまくいく野菜とうまくいかない野菜は?
●不耕起再生型農業に切り替えた結果どうだった?
●野菜がうまくできるまで何年もかからないの?
●不耕起再生型農業の二年後、驚くべき土壌の変化
実践した農民しか知りえない、様々な実例と技術を発表します。
- 本報告会を開催する背景
環境再生、炭素貯留の観点から不耕起栽培は世界的に注目をされていますが、日本での広がりは始まったばかりです。
再生型農業が提唱される前から、日本では自然農の流れから、先駆的に不耕起栽培が取り組まれてきましたが、その実践は小規模な圃場での自給的な農法にとどまってきました。
アメリカ発祥の再生型農業は科学的な根拠に基づき、経済性と環境再生を両立する不耕起栽培でありますが、日本とは風土、栽培規模が大きく異なっており、アメリカでの実践をそのまま導入することは難しいのが実情です。
日本の自然農と海外の再生型農家が培ってきた知見を踏まえ、標準的な日本の農家の営農規模と風土に適合させた栽培技術の開発が急務となっています。
また、すでに優れた実践している農家は存在するが、その知見が広く共有されていないことも課題です。
農民による農民のための知見を共有するプラットフォームの整備が求められています。
- 目的
以上の背景を基に、SHO Farmでの本報告会では、以下のことを目的とします。
①不耕起再生型農業の知見の共有
3haと日本では平均的な作付面積であるSHO Farmによる少量多品目の実践報告をすることで、多くの方に実践的な知見を共有します。
オンライン配信も活用することで、全国の農家からも双方向で意見を交換し、集合知を蓄積するきっかけを作ります。
②農家が主催する開かれた勉強会
農学の専門家や研究機関主体のトップダウンでなく、当事者である農民自身がオープンソースな学びの場を作り、全体的なレベルアップをすることで、分散型で公正な社会モデルを体現します。
- 概要
◎日時
2023年3月25日土曜日 9時半~14時半を予定(時間厳守)
◎実施方法
①抽選による現地参加+後日アーカイブ録画配信(午後の圃場見学も含む)⇒30名限定
②オンライン(午前中の講義内容のみリアルタイム配信)+後日アーカイブ録画配信(午後の圃場見学も含む)
※①で応募多数の場合は抽選となります。抽選に漏れた場合は②と同じオンラインでの参加となります。
当選の可否は三月上旬にpeatixメッセージにて連絡します。
※アーカイブでは後日、午前中の講義、圃場見学両方を見ることができます。
◎対象者
報告会の内容は実践的ものに特化するため、農家(慣行栽培・耕起的栽培から転換したい方も含む)、新規就農希望者、または比較的大きな面積の圃場を管理する方を対象としており、農業の一般基礎知識と実践がある方を前提とした内容とします。
※農家以外の方も参加可能ですが、解説なく専門性の高い用語を使うことはご了承ください。
※トラクターを利用した不耕起栽培はSHO Farmでは実践していません。
◎使用言語
①②共に日本語
①の現地参加のみ英語による言語の補助あり。(希望の方は申し込みフォームに記入)
◎放送・アーカイブ
プロの放送チームが担当しますので、オンラインでもクオリティの高い動画で配信できます。
開催が近くなりましたら、配信のURLをお送りしますので、peatixメッセージをご確認ください。
配信 フィリック・フォビック社(Zoom ウェビナーを使用予定)
◎雨天時
講義は北下浦行政センター(市民プラザ内)大会議室を利用(駐車場有、京急長沢駅より徒歩10分)、圃場見学は少雨決行
荒天の場合は現地参加も行政センターの講義のみ。圃場見学は後日アーカイブ。
◎事前学習
本報告会は時間的に限られたスケジュールであるため、不耕起栽培に伴う導入的な説明の時間を省き、参加者の知識レベルをそろえるため、参加者には事前学習として以下の課題図書を読んだうえで参加していただきます。
◎課題図書(参加者はどちらか一冊を選ぶ)
〇「土を育てる」ゲイブ・ブラウン著/NHK出版 /2022
〇「土・牛・微生物 文明の衰退を止める土の話」デイビット・モントゴメリ著/築地書館 /2018
◎講師
SHO Farm
〇代表 仲野 晶子
農学修士。専門は土壌化学。
修論ではインドの伝統農法が土壌の諸性質に及ぼす影響について研究した。
学業の傍ら、独)農業環境技術研究所土壌重金属研究室で3年間勤務し、農学研究の第一線を垣間見る。
中高一貫校にて理科教員経験後、2014年にSHO Farm開園。
報告会では主に土壌学的観点から発表する。
〇仲野 翔
大学で農業経済学を専攻。
日本政策金融公庫にて勤務、農業融資を担当。農業経営アドバイザー取得。
宮崎県に配属され、日本の農業の課題を体感する。
報告会では主に経営的な面から分析する。
◎内容
【午前 講義】2時間半程度
・SHO Farmでの実践事例報告
日本の風土と再生型農業の可能性
土壌の変化:断面調査、分析結果
栽培技術:野菜全般、穀物、畜産、草堆肥、緑肥、除草、播種、収穫
労働生産性の分析
現在の課題
・質疑応答
オンラインの方もzoomウェビナーからテキストで質問可能
昼休憩 現地参加の希望者はOne drop cafeさんによる菜食料理の提供
※別料金(現地参加に当選された方に別途ご案内します)
【午後 圃場見学】1時間程度
※オンライン参加の方は後日アーカイブでの配信
・畜産を入れた再生型農業の様子
・混植した緑肥の様子
・草積畝、草積堆肥
・不耕起自然栽培(種も蒔かない不耕起栽培)への挑戦の様子
◎申し込み期限
①現地参加抽選チケット 2月28日23時まで
②オンライン参加チケット 3月23日23時まで
- 協賛企業・団体
本報告会開催にあたり、以下の団体の支援を受けております。(敬称略)
Patagonia 畑で考え学ぶサロン One drop cafe
その他
・この報告会開催にあたり、キララ賞の副賞金の一部を利用しました。
関心のある方に本イベントの情報シェアをいただけますと、地球を再生する農業の普及の一歩となります。
本イベントは終了しましたが、報告会当日と圃場見学の様子を動画で販売しています。お申し込みはこちらからお願いいたします。
年末のもちつき12月29.30
今年のおもちつきは12月29.30日の日程でおこないます。
もちつきのテーマは「誰も取り残さないおもちつき」です。
年末は一般的には楽しいシーズンですが、さまざまな事情から楽しむことができない方いることに思いを巡らせる必要があると考えています。
どの方にも楽しんでいただき、無料でお腹いっぱい食べられる2日間になるといいなと企画しています。
去年は食材費などの諸経費はすべてSHO Farmの持ち出しでしたが、年々規模が大きくなってきたことと、SHO Farmのイベントというよりも多くの人がかかわり作り上げる草の根的なイベントにした方が持続可能かつ可能性も広がると思い、イベントに掛かる材料や経費も公募制にしたいと思います。
欲しいものは以下の通りです。
干しシイタケ、醤油、きな粉、小豆、粗製糖(白砂糖でないもの)、板のり、振る舞い酒、もちつきボランティア(当日もその場で募集あり)、寄付金(運営の諸経費に当てます。)
※食材の提供の場合、化学物質過敏症の方や環境負荷への配慮のため、無添加でフードマイレージや包装ができるだけ少ないものをいただけますと助かります。以上の中で一つでも提供できるよ!という人がいればぜひご一報ください。
なお、去年は大量の人が集まり、駐車場が大きな混雑となったため、車での来場を制限することにしました。
今年は、いつも駐車いただいているSHO Farm前の道路は歩くことが困難な身体的な事情のある方を除き、車での来場はできません。
健常な方は公共交通でお越しいただくか、どうしても車で来る事情がある場合は、徒歩10分程度の近隣のコインパーキングとなりますのでご了承ください(コインパーキングにも限りがあり、去年はすべて満車となりました)。
駐車難民にならないためにも、ぜひ環境に良い徒歩、自転車、公共交通でいらしてください。
正月用の野菜、正月飾り(桜山植物園)の販売や、Irish music live(無料)などもあります。
来場の方は、お皿、お椀、箸、コップのご用意を持参お願いします(使い捨て不可)
不耕起田んぼのコモン(仮名)概要とメンバーの募集について
- はじめに
斎藤幸平の「人新世の資本論」では、今日の危機は資本主義によってもたらされたものであるとし、資本主義のオルタナティブとして、脱成長コミュニズムを提唱しています。市民が地域資源を民主的に共同管理し、必要な材を自給する未来。その構想に心ときめいた方も多かったと思いますが、いざ「農」のコモンに挑戦しようとしても、様々な農地法のルールや、地域社会ならではの人間関係があり、個人の想いだけで始めるにはハードルが高いのが実情です。
SHO Farmでは、これまで本格的なコモンの開始に向けて、様々な情報収集と事前準備を行ってきました。その中でも、水管理という点において一人ではできない水田、特に冬季湛水不耕起という管理方法は、生態系が完成すれば、田植えや除草といった管理が省略できるというメリットから、不耕起田んぼこそコモン的な管理にふさわしいと考えていました。そしてこの度、ご縁があって、冬季湛水不耕起田んぼができ、かつ地域住民の理解ある土地をお借りできることとなりました。やっと土地、人、技術、理論が揃い、新しいプロジェクト、「不耕起田んぼのコモン(仮名)」に挑戦する機が熟しました。
私たちの「不耕起田んぼのコモン(仮名)」はエコロジー、フェミニズム、コミュニズムの3つの思想を基軸とし、以下を具体的な目的としています。
① 環境再生
不耕起、無農薬の管理により土壌を豊かにし、かつ多種多様な生物が生存できる環境を再生すること。
② 自給自足
食料の自給をすること。自然から糧を得る技術を獲得すること。
③ 直接民主主義
固定的な意思決定者を作らず、ルールおよび運営はメンバー全員で決定し、透明性のある直接民主主義を構築すること。
④ 公平性
ジェンダー、セクシャリティ、国籍、人種、階級等、アイデンティティにかかわらず、誰もが尊重され、意見が反映される公平な人間関係を作ること。
⑤ オルタナティブの実証
現行の社会システムに代わる、公平な人間関係と民主主義に基づく持続可能な代替案を実証すること。
- メンバー募集
先日、数名のスターティングメンバ―でのミーティングを行い、さらにこのプロジェクトに参加いただける方を、以下の通り募集することとなりました。選考という過程を踏むこと自体に賛否あるかと思いますが、管理する田んぼの面積に限りがあること、ある程度共通理解がある方が集まることにより、活動の基盤となる公平な人間関係を築くことができるメリットを優先しました。また、選考においては、できるだけジェンダーや年齢などの多様なアイデンティティでバランスよく構成されるように調整します。
以下、すべての条件を満たす方を募集します。
① 上記の目的に共感していること
② 暇があること(目安としては、最低週に丸一日程度の時間が取れる方。作業のみならず、ミーティングや勉強会もあります。)
③ 横須賀市長沢近くに住んでいること(最低でも三浦半島内に居住していること)
募集 5名程度
※ご家族の場合でも、おひとりずつのお申し込みとなります。ご夫婦の場合はそれぞれ個別にお申し込みください。
- 選考の流れ課題
お申込み(グーグルフォーム) →説明会参加 →課題図書(エコロジー、フェミニズム、コミュニズムより3冊)の連絡 →本の感想提出 →面接 →決定
課題図書予定
(エコロジー) 稲の多年草化栽培 小規模自給農への新たな道 /小川誠 著 /地湧の杜
究極の田んぼ/岩澤 信夫/日本経済新聞出版
(コミュニズム)人新世の資本論/斎藤幸平/集英社新書
(フェミニズム)現在考え中
説明会 7/30土曜日16時からSho Farm にて
参加希望の方は必ずご出席ください
説明会お申し込みフォーム ※ご家族ご夫婦でもお一人ずつご本人で入力ください。
- スケジュール
秋 勉強会、ルール作り
冬 畔づくり、排水溝の整備
春 育苗、田植え、草取り
- その他
本プロジェクトの正式名称、会費、活動内容、頻度、ルールを、メンバーがそろってから、みんなで決定します。そのため特に初年度は時間のかかるものと理解をお願いします。一方で、発起人で、道具や技術のあるSHO Farmこそ、このプロジェクトにおいて最も権力を持ちやすいという点に常に注意を払い、SHO Farm自身の特権性が解体されるよう、ルールをみんなで作っていきたいと思います。
本プロジェクトは既存のシェアファーム、シェア田んぼのような枠組みとは異なり、ルールから自分たちで作るという点において革新的である一方で、メンバーと共に未来を描く想いがなければ進むことのできないプロジェクトです。これから取り組むのは小さな田んぼですが、オルタナティブの実証という点において、大きな可能性を秘めた試金石だと考えています。新たな時代を作るという最もワクワクする挑戦にともに進んでくれる仲間を心よりお待ちしています。
不耕起田んぼのコモン(仮名)メンバー一同