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私がゼロウェイストにはまった理由

​ 年末にゼロウェイストの考え方に出会い、現在すっかりゼロウェイスト生活に夢中です。ゼロウェイストの考え方に出会ってから、部屋がきれいになり、時間的にも、精神的にも余裕が生まれ、ゴミが出ず、より健康的な食生活になり、さらには貯蓄も増えました。なにより本当に毎日気持ちよく過ごせて、最高なのです!そんなうまい話があるか!?と怪しまれるくらい、最高なゼロウェイスト生活を紹介します。

ゼロウェイストとは、文字通りゴミの出ない生活のことです。これまでゴミの話は、分かってはいるが、生活する以上ゴミが出るのは仕方がないもの、ゴミは必要悪として、なるべく考えたくない問題でした。ゴミの話というとゴミを拾おうとか分別しようとか、だれが見ても正しいけれど、面白いものではないと思っていました。それはまるで、小学生のころ優等生に「掃除の時間はさぼっちゃダメ!」と指摘されるような、つまらなさを彷彿とさせるものでした。私が夢中になった本、ベア・ジョンソン著の『ゼロウェイストホーム』ではゴミをほとんど出さないフランス人の生活が紹介されています。一冊読み終えて気が付きました。ゴミを出さない生活とは何か。それは消費行動、生活、ひいては人生観までパラダイムシフトであったのです!

典型的な大量消費大量廃棄の生活をしていた著者は、自分の生活がもたらす環境への悪影響に気が付き、とにかく徹底してゴミをなくすことに挑戦します。まず持ち物が多すぎることを指摘します。物があると便利で時間を節約できるように感じますが、実際には私たちの生活には物が多すぎて、目的のものを探すのにかなりの時間をかけています。私たちはあれもこれも必要だと思い込まされていますが、そのほとんどのものはごく限られたシンプルな道具で兼ねられるものです。たとえば生活必需品と思われている消耗品ですが、そのほとんどは不要です。ラップはお皿や濡れた布巾でいいし、少しの汚れはティッシュでなく、布きれ。鼻をかむときは(西洋人のように)手鼻かハンカチ一枚で代用できます。我が家はトイレットペーパー以外の消耗品をやめました。生きるために本当に必要かどうかという視点で家の中を眺めると、見慣れた部屋はゴミの山へと一変します。コレクションのように置いてあった既に読んだ本、用途が限られた道具たち、一つあれば十分なのになぜかあったスペア(我が家は爪切りが5本、筆記用具が40本ぐらい出てきました!)など、とにかく大量のものを人に譲るか、(これが人生最後と思いながら)廃棄してしまいました。すべてのものを一番使いまわしがきく、必要最低限のものだけを残したら、家の中はほとんど空になってしまいました。

さらに、手元においておくものの素材を選びます。プラスチック製品は石油由来で、耐久年数が短く、壊れても直せず、自然に返らず、最終的にゴミになるので、ゼロウェイスト的に使うべきではありません。金属やガラスは耐久年数が長く、溶かせばまた別の製品に生まれ変わることができます。木や天然線の素材でできたものは土に埋めれば自然に返ります。最終的にゴミになるかどうかで、物を選んでゆくと、家の中がどんどんきれいでおしゃれになっていることに気が付きます。天然素材でできた少量のものだけに囲まれた空間は、なんと美しいことか!

唯一の消耗品である食品は量り売りで買います。自分で容器を持参して、それに直接入れてもらえばパッケージなしで買い物ができます。この「量り売り」というのが最大のポイントです。パッケージのある世界とない世界は、大気圏と宇宙空間ぐらい違います。私も以前は、容器を持参しなければならない量り売りは面倒なだけだと思っていました。それはおそらく多くの人が思う理由「だって、その場に行かないとほしいものがわからないじゃないか」。

ポイントはここにあります。量り売りで買うためには、買い物に適した素材の容器をその数だけ用意しますから、事前に自分の生活に今なにが必要かわかっていなくては、買い物ができません。一方、パッケージがあれば、なんの計画がなくても物が買えます。つまりそれはたとえ、ほしいものでなくても買えてしまうということです。パッケージのたった一枚の薄いビニールは、自分のほしいものが、自分の内側にあるのか、それとも外からもたらされたものかの境界線なのです。

パッケージなしで買えるものなどないように思われますが、ひとたびパッケージなしの視点で街を眺めれば、実は様々なところにパッケージなして物が買える場所があることに気が付きます。たとえば、地元の農家や八百屋さん、朝市や魚屋さん、パン屋はパッケージなしでパンが並んでいますし、お惣菜屋さんも量り売りです。一方、パッケージなしで絶対に買えないものは、工業的な製品です。それらは概して加工度が高く、添加物が含まれています。パッケージなしで買い物できるものは、おのずと地元で生産されたもので、新鮮で、加工度の低いものとなります。またローカルなお店や人とかかわることになるので、地域経済の活性につながります。たとえば、我が家の食卓に不可欠な豆腐製品、今まではスーパーで購入していましたが、毎回パッケージのゴミが出て、(特に納豆のパッケージは粘るし、水きれ悪いし、におうし、完全にイライラの元!)毎週のプラスチックごみの日が待ち遠しかったものです。今では地元の豆腐店に交渉して、密封びんを2つ渡し、入れ替えに豆乳と、豆腐を入れてもらって毎週受け取りに行きます。油あげやがんもどきも持参したお重にその場で詰めてもらいます。納豆は手作りすれば実に簡単で、圧倒的に安価です(そのままで3週間ほど日持ちする上に、作りすぎたら干し納豆や小瓶に分けて冷凍も!)。我が家もゼロウェイストを初めて間もないですが、こうしたほんのささやかな工夫でプラスチックも消耗品も使わずに生活することができるというのは、本当に驚きでした。私は毎日「このお店もゼロウェイスト!」「この工夫でゼロウェイスト!」と思いながら生活しています。見慣れた町も、生活もこれまでとは全く違った視点で見ることができるのは、本当にわくわくする日常の冒険です。

私たちは完全に広告業界に踊らされています。魅力的なコマーシャル、広告、パッケージ、作られたイベントにより、生きるためにはたくさんのものが必要だと洗脳されているのです(ほらほら、これが君がほしかったものでしょう?)。そうして消費に掻き立てられ、不要なものを買い込み、大量に廃棄し、資源を浪費し、環境を汚染します。もの(そしてその多くはガラクタ)を買うために、長時間労働に追われ、家族やゆとりの時間を削って生きています。

オーガニックは高くて手が出ないとよく言われます。現代の大量消費廃棄型ライフスタイルのなかで、食べ物や化粧品などをそのままオーガニックにするのであれば、その通りだと思います。おそらくオーガニックは一部のお金持ちのものでしょう。しかし、そうではないのです。多くの人は疲れ果てて、こういいます「時間がない!お金がない!」けれども、私たちはいったい何にお金と時間を使っているのでしょうか。ゴミの出ない生活を心がけるだけで、消耗品をやめ、衝動買いがなくなり、物に執着しなくなるので出費が格段に減ります。買い物やゴミ捨てにかかっていた時間が減ります。そうなるとそもそもそんなに頑張って働かなくてもいい…!?私はむしろ収入の少ない人ほどオーガニックにすべきだと思います。物にお金と時間をかけなくなれば、エネルギーを注ぐべき大切なものはなんでしょうか。家族や友人、ゆとりの時間、健康、そしてそれを維持するための少量で質の良い食べ物にお金と時間をかけることができます。それはずっと精神的に豊かで、健康で、環境によい生き方です。オーガニックとは商業主義の中の付加価値なのではなく、21世紀のオルタナティブなのです。

自分自身のスーパーに行けば世界中で生産されたものが手軽に手に入る時代ですが、私たちは消費にブレーキをかける必要があります。ひとたびパッケージのものは買わないと決めてしまえば、それは非常に効果的な消費の足かせになります。自分自身に足かせをはかすなどとおかしな話に聞こえるかもしれません。それでは自由でない?そもそも自由とはなんなのでしょうか。ガンジーは、欲望のままに生きることは、自由なのではなく、それは欲望の奴隷だといいました。彼の考えのよれば、自らの欲望をコントロールして、欲望から自由に生きること、それが「自由」な人間なのです。明らかに私たちは資源を使いすぎています。ゴミの処分地は有害で、多くの自治体では次の処分地の目途すら立っていません。ゼロウェイストの考え方にであってから、史上最悪のゴミを出す原発を批判しておきながら、自分がゴミを垂れ流す生活をしているのは、おかしいと自分の生活を深く反省しました。有機農家でありながら、家の中には物があふれ、プラスチックに囲まれ、消費にブレーキをかけていなかった自分っていったい何なんだ!?政治や仕事、地域の活動など自分の外の活動に参加することは大切です。しかしそれと同じぐらい自分の内側にベクトルを向ける必要があると思います。大量消費大量廃棄の社会から抜け出すのと同じぐらいのエネルギーで、自分自身の消費への欲望をコントロールしなければなりません。自分の中と外、この二つは車輪の両輪であり、二つが程よく回ったとき、持続可能な社会が実現するのだと思います。

とはいえ、必要なものがすべて近場で量り売りで買える場所は限られています。しかし消費者が望むからパッケージがあるのであって、私たちが望めば量り売りが広がってゆくはずです。人々が話し合い、考え、消費から自分たちの作りたい地域社会を作ってゆく、これは十分に政治的な行動だと思います。SHO Farmではともにゼロウェイストの道を歩んでゆく仲間を募集しています。まずは自分の家の中からゼロウェイストの革命を始めてみませんか。今後ゼロウェイストの生活の知恵や量り売りの情報などシェアする交流会やSNSなどが企画できたら面白いなと思っています。一緒にゼロウェイストから始まる日常の冒険をはじめませんか。

写真はゼロウェイストで買った出来たて豆乳とがんもどき(三浦市の高梨商店より)

2017-02-09 | Posted in Enjoy1 Comment » 

コメント1件

 種まくツク大生、とんぴくりん。 – ウプサラ生活記 | 2017.04.10 1:21

[…] 醤油は難しいらしいんだが、それを手づくりしたり、「ゼロウェイスト」(ゴミのでない生活)をしている農家の先輩は、納豆さえも作っているらしい。農や土から離れてしまっている […]