#フェミニズム

『アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か?』

私が何より深く頷いたのは、マルサルの男女平等に対する考え方だ。男女平等とは、男性によって男性のために作られたシステムに女性を加えてかき混ぜることではない。女が男らしくなることでもなく、また女が女らしくあることでもない。本当はみんな男らしくなくていい。競争社会でバリバリ戦えなくてもいい。真の男女平等とは、「ありのままの自分で良い」という成功の定義をもたらすことに他ならない。
レビュー詳細

『キャリバンと魔女 資本主義に抗する女性の身体』

本書は16世紀〜17世紀の魔女狩りの分析から、女性に対する戦争・ジェノサイドが近代・資本主義の出現に必要であったとし、その理由を読み解いていく。過去から現在へひと続きの歴史として、今なぜジェンダーと資本主義なのかを読み解くことができる目からウロコの一冊。 もう、この本は世界史を扱う全ての教員に読んでもらいたい!!
レビュー詳細

『動物倫理の最前線 批判的動物研究とは何か』

これまで筆者が貯めに貯めてきた情熱と知識が溢れんばかりに詰まった力作。本書では動物を切り口に哲学、社会学、ポスト人間主義、フェミニズムを横断していく。エコロジカルなコミュニティにおいて、性別分業が行われているとか、人種や性的マイノリティへの差別が行われているとか、抑圧の絡まりを構造的に理解することができれば、それらは論理矛盾であることがわかるはずなのだ。そのために私達には包括的正義という視点が必要で、それぞれの思想や立場の違いを尊重しながら、連帯するための思想を本書において明確な言葉で説明している。
レビュー詳細

『肉食という性の政治学 フェミニズムベジタリアニズム批評』

学術書なので文章は硬めなのだが、これほどまでに肉を食べないという自分の選択に寄り添ってくれた本はなかった!と思うくらい筆者の熱量の感じる本。 そして何といってもこの本の特徴はベジタリアニズムだけの話ではなく、フェミニズムの問題として読み直したところに斬新さがある。
レビュー詳細

『フェミニズムの政治学 ケアの倫理をグローバル社会へ』

「誰もが応答され、包摂されていること、だれも一人で放置されず、傷つけられないこと」 もちろん本書ではエコロジー的観点はないのだが、ケアの実践から導かれるケアフェミニズムを、自然や人間以外の生命のケアに拡張すればエコロジーとの接続は難しくないだろうと思った。
レビュー詳細

『家父長制と資本制 マルクス主義フェミニズムの地平』

最近のSHO Farmの農民ラジオでは、資本主義と家父長制はどのように関係しているのか、という大問題を明らかにすべく、しかし一回ではとてもお伝えしきれないため、「フェミニズムと反資本主義」シリーズとして複数回に分けてお伝えしています。 シリーズでは、毎回本をテーマにしてるので、ラジオでブックレビュー風になってます📚
レビュー詳細

『キングコング・セオリー』

まず、この帯の激しさよ! 手に取るものを震え上がらせる、フランスからやってきた超パンクなフェミニズムの本。 筆者のプロフィール写真もパンクロッカーと見紛う佇まいだが、フランスで有名な作家だとのこと。 17歳でレイプの被害にあい、売春をし、のちに有名作家になった、という異色の経歴の筆者だからこそ書ける、底辺から湧き上がる「お行儀」悪くて、力強い言葉の数々。 レイプへ向き合う困難さ、娼婦の立場から見える社会規範のおかしさ。 レイプの経験から立ち上がらせてくれたのは売春とパンクだった。
レビュー詳細

developed by Adriana ItoYann Klein